Hey-Bee!!

 

 

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 1回目。

 

 カレギア城のアガーテ女王は王の盾にヒューマで美しい娘を連れて来いと命令を出した。

 王の盾のサレとトーマが率先して、娘たちをさらいに出た。

 女王の命令は絶対。

 邪魔するものたちは全て排除し、娘を集めた。

 

 スールズにいたクレアもその一人だった。

 そして、アガーテは聖獣ゲオルギアスを呼び出しクレアと心を入れ替えることに成功し、ヒューマの身体を手に入れることに成功した。

 

 いろいろと問題はあったがクレアの身体を手に入れたが、愛しい存在に自分はアガーテだと告げる事もできず終いだった。

 

              アガーテ→クレア   クレア→アガーテ

 

 

 

 

 2回目。

 

 サレ達にさらわれていたクレアが実はアガーテだった、と知ったヴェイグたちはアガーテを責めた。

 そして、アガーテの身体になってしまったクレアは戻ってきたが、ヴェイグは気に食わない様子だった。

 

 そして、とうとうヴェイグは暴走を起こしてしまい、クレアはこれ以上ヴェイグと一緒にいると迷わせてしまうだけだと判断し、ミルハウストの元へと移った。

 ミルハウストの決闘後、負傷したヴェイグをミナールまで運んだアガーテとまた合流し、今度は獣王山へと足を向ける。

 

 ――――――――その途中の出来事のこと。

 

 

 「―――――痛っ!」

 ヴェイグたちの後を追ってきたアガーテが突然、立ち止まって蹲った。

 小さな悲鳴をあげるアガーテにユージーンは慌てて駆け寄る。

 「どうされましたか、陛下!」

 「足を、挫いてしまったようです・・・」

 「見せて下さい! ああ、こんなに腫れ上がって」

 クレアの赤いスカートから覗かせる、白く細長い足の踝がぷっくりと赤く腫れ上がっている。

 アニーは荷物から救急用の治療具を取り出し、湿布と包帯で簡単に応急処置を施した。

 「皆さん、このまま続けて行くのは無理です」

 アニーは足の様子を気遣って、皆にそういうとティトレイは参ったような顔をしたがすぐに提案を飲み込んだ。

 「怪我じゃ仕方ねえなぁ・・・。おい、マオ。こっから近い街はどこだ?」

 「こっからだと〜、サニイタウンかなっ?」

 「サニイタウン?私、あまり良い思い出ないのよね。髪に潮が付くし」

 もっと別な街は無いのかと、不満を上げるヒルダにユージーンが軽く制した。

 「そういうなヒルダ。陛下、サニイタウンまで歩けますか?」

 「ええ、そこまでなら・・・・・・。ご迷惑をおかけしてすみません・・・」

 深々と頭を下げるアガーテに皆は「いいってことよ!」とか「気にしてません」と返事を返した。

 ヴェイグ一人を除いて。

 「アガーテ。あまり言いたくはないが、その身体はクレアの身体だ。あまり乱雑に扱うな」

 「・・・・・・わかってますわ」

 「なら、いい」

 それだけ言うと、ヴェイグはふぃ・・・と背を向けた。

 「何か感じワルいんですけど!せっかく、決心がついたって言うのにネ」

 「ずっと一緒にいた人が別人になっているというのは、やはり耐え難いんだろうな。ホラ、早く行かなければ陽が暮れてしまうぞ」

 「そうですね、アガーテ様。あまり無理をなさらず」

 「ええ、行きましょうか」

 そうしてサニイタウンを目指し、歩き出してすぐにバイラスの群れが襲い掛かってきた。

 普段なら4〜5匹の群れで行動しているはずだが、20匹くらいのどうやら大きな群れとあたったらしい。

 4人が戦闘に出て、2人がアガーテを守るという戦闘態勢が崩れ6人全員が戦闘に加わった。

 

 「陛下、ここは危ない!下がっていてください!」

 「ええ! 気をつけて!」

 一番アガーテを心配しているのはユージーンだった。

 アガーテの一番近い場所でユージーンはバイラスの群れを叩いている。

 クォォォォン、と狼のバイラスが一声鳴いた。

 「まずい!」

 狼のバイラスが遠吠えをすると、どこからか同じタイプのバイラスが集まってきた。

 そして、またそれらが遠吠えし仲間を呼んでいる。

 さらに増える一方のバイラスがアガーテの背後を捉えた。

 ユージーンは目の前のバイラスで手一杯だった故に気付けなかった。

 「アガーテ!!」

 ヴェイグがアガーテの背後を回り、狼のバイラスに立ち向かった。

 バイラスは大きな口を開けてヴェイグに襲い掛かる。

 「っ!」

 「え!? きゃぁぁ!!」

 剣を振り上げたヴェイグの隙を生んだ横の方からバイラスが攻めて、ヴェイグはバランスを崩した。

 崩して背後にいたアガーテと激しく接触し、2人で地に伏せた。

 「ヴェイグさん!」

 「陛下!」

 

 

 「ディバインセイバー!」

 「ブレイジングハーツ!」

 何とか広い範囲の道術をヒルダとマオが使って、バイラスは一掃できた。

 しかし、気になるのはぶつかって気を失ったヴェイグとアガーテだった。

 「どう?」

 「ダメだー、2人ともちっとも起きねえ!死んでんじゃないの?」

 「縁起悪い事を言うな!」

 「打ち所が悪かっただけです! ちゃんと脈も息もあります!」

 失礼なことを言うティトレイにユージーンとアニーが厳しく制した。

 「とりあえず、サニイタウンで寝かせてあげたら?こんなところで野宿をする気?」

 「そうだな、ティトレイ。アガーテ様を頼む」

 「おうよ!」

 「落とさないでよね!」

 「落としちまったら、それこそヴェイグに怒られちまうよ」

 アハハ、と笑いながら雑談交えてユージーンはヴェイグを担ぎ、ティトレイはアガーテを背負いだ。

 

 

 

 夜になってヴェイグは気が付いた。

 何だか、頭がすっきりとしないのは、ずいぶんと深く眠っていたせいかもしれない。

 ゆっくりと視界を空ければ、そこはサニイタウンの宿屋だとわかった。

 電気も消え、月明かりが窓からぼんやりと照らす。

 少ない光の中で視界も頭も冴えてきた。

 

 (喉が渇いた・・・)

 コホン、と軽く咳払いをした。

 妙に高い声の咳払いだ。

 「・・・・・・・・・ぁ」

 身体を起こして自分の手元を見てみる。

 白くて細い手。

 一緒に見える胸元もなぜか、膨らんでいる。重いとも感じる。

 「これは・・・一体・・・・・・」

 ヴェイグは瞬時に悟る。

 これは、自分の身体じゃない。

 じゃぁ、誰の身体なんだ。―――――答えはわかっている。

 

 

 クレアの身体だ!?

 

 

 それを証明するかのように、昼間アガーテが足を挫いたときにアニーが施した包帯も己の足にあった。

 そして、さらに確実つけたのが、隣の部屋から大きく聞こえてきた悲鳴だ。

 

 「きゃあああああああああああ!!!!??」

 

 野太い男の声が、宿屋に響いたのは言うまでも無い。

 

 

        アガーテ→ヴェイグ

ヴェイグ→クレア

 

 

一発書きUP・見直し無し。

2005.02.09.

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