注意:あまりにもムチャクチャな表現があります。
ありえないほど、本編(ゲーム)を無視しています。文句は言わない方向でおねがいします。。。
サレヴェイ(1)
いつの間にか、隣にいる存在が当たり前になっていて。
当たり前の存在が、何よりも大切なモノなんだと気付くのは、存在が隣にいなくなった時。
例えば、いつも笑顔で気に掛けてくれるクレアの存在を失ったとき。
それが自分の所為なんだと、すごく心が痛かった。
もう、こんな思いをするのはあれが最後だと願いたかった。
最後であって欲しかった・・・・・・。
「ヴェイグ、考えごとかい?」
交易の街、ベルサスはヒューマとガジュマの生活が2分割された大きな街だった。
2つに分かれているということだけあって両種族の揉め合いが激しく、正規軍だけでは収集がつかなくなり、
隠密で動いていた王の盾がいよいよ出動しなければならなくなった。
王の盾でも珍しいヒューマのフォルス能力者のサレは、「面倒臭い」と語りながらも自分の仕事をテキパキと進めている。
どんな仕事なのか、そこは敢えて伏せておいた方がいいだろう。
ヴェイグはそんなサレに自主的について行こうと思って彼の後を追った。
仕事の邪魔にならぬよう、少し離れたところで待つという条件付きだったが。
夕暮れ、あれほど五月蝿かった騒ぎがとりあえずは収まって街の噴水広場には静けさが戻る。
ヴェイグはサレの仕事が適当に終わるまで、大きな川を跨ぐ背の高い橋に腰を掛けて夕陽が沈むのを眺めた。
綺麗だな、と物思いに耽っている様子をサレは考え事をしていると捉えたのだろう。
「いや、夕陽を見ていただけだ。―――もう、平気なのか?」
「とりあえずは、・・・・・・だけどね。まぁ、僕もガジュマなんて好きじゃないから、急に仲良くしろなんてのは簡単に言えるもんじゃないよね」
苦笑いを浮かべながら、サレは座るヴェイグの隣に同じように腰を下ろした。
「優しいんだな」
ヴェイグは相手の立場を自分に置き換えて語るサレにフッ、と笑みを零しながらそんなことを呟いた。
サレはそのヴェイグの発言に目を丸くしては、クスリと小さく笑った。
「何を言ってくれるんだろうねェ、君は。 僕が優しくない事ぐらい知っているんだろう?」
「さあな」
悪戯く言うサレに対し、冗談を返すようにヴェイグは肩を竦めた。
「全く、君という人は。しかし、こういうのはヴェイグが得意なんだろうね、どうだい今度一緒に立ち会ってくれるかい?」
サレの協力の申し出に、しばらく考える素振りを見せて「お前がよければ」とヴェイグは肯定的な返答を返した。
「さてと、そろそろバルカに帰ろうか?港から最終便が行ってしまうよ」
陽が海に溶けきって、空に闇が覆い始めた頃にサレは立ち上がって後から立ち上がるヴェイグを急かせた。
「待て。お前が揉め事を納めている間スージーと会ったんだ」
「スージー?向こうの豪邸スカラベの娘だったかな?そのコが?」
疎い記憶を探るようにこめかみに人差し指を置いてうーんとサレは唸る。
「今日、泊まって行かないかと誘われたんだが―――――・・・・・・ッ、!?サレ、危ない!!」
広場と森を繋いでいる橋。
森側、サレの背後から巨大な蜂のバイラスが尻の鋭い針を向けてこちらへと飛んでくる。
ブーン、という独特の羽音が耳に嫌に聞こえる。
「!」
注意を促していて、腰のベルトに垂れている鞘から剣を抜くタイミングが少し遅れた。
また、「危ない」とだけ言われても身における危険性はサレには伝わらなかったためにサレは振り返り様にバイラスの鋭く尖った太い針を腕に受けた。
「・・・・・・・・ぐっ、!」
突き刺さった衝撃でサレの口から悲鳴と取れる声が洩れた。
ヴェイグは鞘から抜いた剣をそのまま大きく振り下ろしてバイラスを切り落とした。
「サレ、無事か・・・・・・!?」
無惨にも、バイラスの針のみサレの腕に深く突き刺さったまま残るという形になってしまったのだが。
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