デスノート
携帯電話
「なあ、ライト」
塾の帰り道、人がざわめき合う夜の大通り。
暗闇に紛れているかいないんだか解らないが、目だけがギロリと向いているリュークに後ろから声をかけられた。
「・・・・・・」
人が多いのに、返事を返していたら怪しまれる。ここで独り言はさすがにまずい。
背後にはライトを尾行している人物がいる。
ライトはカバンから携帯電話を取り出して耳に当てた。通話ボタンは押されていない。
「何だ、ソレ?」
「こーして電話で話しているフリをすれば怪しまれないだろ?」
他人からにはただ電話しているようにしか見られない。
1人でブツブツしているよりも、はるかに怪しまれないだろう。
「やっぱり、頭イイな」
「僕を何だと思っているんだい?」
ククッと笑ってライトは視線を隣のリュークに向けた。
リュークもライトを見て、どうしたと首を傾げた。
「これからいつでも、話しができるよ」
さすがに授業中は勘弁だけど、言ってライトはリュークと心置きなく街で話しが出来たのでした。
目
ライト「リュークってさぁ」
リューク「んー?」
ライト「まぶた、あんの?」
リューク「・・・・・・・・・」
絆
リュークが僕と出会ったときに言ってくれた事がある。
デスノートは僕とリュークをつなぐ絆だと。
でも、僕はこうして一緒にいるうちにリュークとはもっと別な絆があるように思えてきて仕様がない。
こう、ノートがなくっても一緒にいてくれる。そんな感じがする。
それを試したいがために、僕はノートを手にとって眺める。
いっそ捨ててみようか。
僕の考えが正しければ、これからもずっとリュークと一緒にいられる。
でも、間違いだったら?
僕はリュークを手放すつもりはない。このノートも。
だから僕は、ノートを机の中にしまった。
なくさないように。
――あとがき――
お題向けに書いた物です。
リュークとライトばっかり(笑)
2005.01.27.
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