Hey-Bee!!

 

 

勝手に続編!

 

 第3話

 

 

 

 

 「よし、ジェンダ!明日は船に乗るから、もう今日は寝とけ?」

 「はぁい、親父も興奮して寝過ごさないように!」

 ティトレイにそう言われて、ジェンダは母の置手紙をしまってから席を立ち、何度も来て慣れている客室へと向かった。

 ようやく落ち着いた居間で、クレアがそっとお茶を出しながらティトレイにお願いをした。

 「ねぇ、ティトレイ。よかったらヴェイグも一緒に連れて行ってあげてくれないかしら?」

 「へ?」

 「クレア!?」

 突然に言い出したことなので男2人驚いたような顔をし、クレアを見た。

 「だって、ヴェイグったら村に戻って来てからずっと物足りなそうな顔をしているんですもの。今もあなた、行きたそうな顔をしている」

 クレアにそう指摘されると、図星を指されたのか言葉を詰まらせて顔を逸らす。

 「ヴェイグが来てくれるっていうなら、すっげー助かっちまうな!正直、俺らだけでノルゼンまで行けるかどうかだもな」

 「しかしクレア、お前やナディアを残しては・・・・・・・・・」

 「家のことやナディアのことは私に任せて。・・・・・あとはヴェイグ、あなたの心の問題よ」

 「俺の・・・・・・・・」

 ふむ、と俯きしばらく考えたあと、ようやく決心したらしく顔を上げてティトレイに「よろしく」と返事を返した。

 

 

 

 そして、翌日。

 村の入り口で朝早く聞こえたのはナディアの泣き声だった。

 自分が寝ているうちに決めてしまった父の旅の出発に一緒に行きたいと駄々を捏ねているのだ。

 「ナディアもいっしょー!!」

 「ナディア、駄目だ」

 ピーピーと高い声で泣かれてしまっては、さすがのヴェイグもどうしていいのか解らなかった。

 「いやー! お父さんといっしょがいいのぉ!」

 「ダメよ、ナディア。お外にはね、こわーいバイラスがいーっぱいいるの。食べられちゃったらどうするの?」

 「怖くないもん!食べられないもん!」

 クレアが説得してみるが、イヤイヤと首を振って聞く耳を持たなかった。

 「ヴェイグ、無理そうだったら俺らだけで大丈夫だから――――」

 さすがにヴェイグを無理に連れ出すのは、小さいナディアを寂しがらせるだけかとおもったティトレイはそう言いだしたが、ヴェイグは首を振った。

 「ナディア、気持ちは嬉しい。だが、父さんも母さんもお前が怖い目に合うのが嫌なんだ。解ってくれるか?」

 「・・・・・・・・・」

 「俺がいない間、母さんを一人にしないでほしい」

 「・・・・・・・、すぐ帰ってくる?」

 「ああ」

 「おみやげも?」

 「いっぱい買ってくる」

 それを聞くと、ようやく解ったのかナディアはシャックリをあげながらヴェイグにぎゅっと抱きついた。

 「いってらっしゃい」

 抱き締めた娘がそう笑顔で言ってくれるとヴェイグは微笑み、「行ってくる」と答えた。

 

 

 「ヴェイグもやっぱり、お父さんなんだなぁ!」

 スールズを出てしばらく、ティトレイはニヤニヤとヴェイグを見ながらそんなことを言った。

 「これから一人前の父親同士仲良くしよーぜ!」

 「お前が一人前なのか疑問だが。どうなんだ、ジェンダ?」

 「どーだろ? ママに逃げられちゃってるしー」

 「あ、こら!それを言うな!!」

 息子をこらしめようと追いかけていくティトレイを見ながら、ヴェイグは騒がしい父子だと思った。

 「ほら、オジちゃんも早く、早く!!」

 「オジ・・・・・・・・」

 オジちゃんと呼ばれるくらいなら、呼び捨ての方がいいと改めて思うヴェイグでもあった。

 

 

 

 

 

 

 ヴェイグ達を送り出して、静かになった家のドアをノックする音が響いた。

 「誰かしら?」

 何だか慌しい日ね、とお昼ご飯を食べているナディアに待っていてもらいながらクレアはドアを開けた。

 ドアを開けると、黒い影があった。

 昼時にはいつも太陽が目の前にあったから、今も太陽は目の前にあって立っている影の背中はまぶしいくらい陽があたっているのだろう。

 だから、逆光で相手の顔は解らない。

 クレアは目を細めて、相手を確認しようとした。

 しかし、先に相手に話し掛けられた。

 「久し振りだね、クレアちゃん。元気だった?」

 その声は、嫌でも覚えている声だった。

 驚いたが、目を凝らして見れば見るほど、あのときの彼だった。

 「あなたは!?」

 「やっぱり、君はその姿の方が似合っているね」

 「・・・・・・・・どうして・・・・・・?だって、あなたは―――――――!!」

 「おかあさん?」

 突然声を上げたのに驚いたのか、ナディアがちょこんと声を掛けた。

 「ナディア!」

 「へぇ、あれがヴェイグと君の子か。ちっともヴェイグに似てないねぇ」

 アハハハハハ、と声を上げて笑う男にビクリとする。

 一体、どうしてここに来たのか。

 何故、今ここにいるのか。

 クレアの頭の中の疑問符は時間を経つごとに増えていく。

 「見れば見るほどクレアちゃん、君に似ているね。そっくりだ」

 「・・・・・・・・・」

 「いや、不審そうなその顔。それはヴェイグに似ているかもしれない。やっぱり君達の子だね」

 「何がしたいの?」

 ナディアに向けていた視線をゆっくりとクレアに向けて、彼は笑んだ。

 その瞳は鋭く、光が通ってないようにも・・・・・・見えた。冷たい瞳だ。

 「僕はね、ヴェイグに会いに来たんだけど。さっき、どこかに行っちゃったみたいで」

 「ええ、人を探しに。あなたには関係ないと思うわ」

 「だから、僕はヴェイグに会いたいのさ。だったら、使わない手はないよね?」

 「何を――――?」

 「きゃぁ!」

 ビュウっと風が吹き込む。

 吹き込んだ風はナディアを包み、宙へと浮かせる。

 「ナディア!」

 クレアの頭上をナディアが飛んで、ストンと彼の腕のなかにナディアは納まる。

 「初めまして、ナディアちゃん?これからお父さんに会いに行こうね?」

 「え?」

 用は済んだとナディアを持って、クルリと踵を返しそのまま家を後にしようとする。

 「待ちなさい!」

 ナディアを連れて行かれる、それを阻止しようとクレアは紺色の彼の軍服を掴んだ。

 「クレアちゃん、もう君には用はないんだ。残念だけど」

 彼はクレアに手をかざすと、呪文を説いた。

 「――――――っ!」

 「大丈夫。体が動かないのは一時的なものだから。せいぜいヴェイグに助けを求めるんだね。僕と会った時がヴェイグが死ぬときだよ?」

 アハハハハハ、と声を高らかにして笑った。

 ナディアにもクレアと同じ術を掛けて抵抗できなくし、そのまま消えていく。

 「ごめんね、ヴェイグ・・・・・・・私、結局・・・・・何も出来ないのね・・・・・」

 体が動かない、そのままクレアは涙を零し落胆していた。

 

 

 

 

――あとがき――

第2話と第3話はもとは1つの「第2話」としての作品でしたが、

あまりに長すぎたため中途半端なところでチョッキン。

繋げて読んでいただけるといいと思います。。。。(繋げても意味不明ですが;)

 

○○は言わずとしれたあの方です(笑)

「どうしてだ」と言われてしまうかもしれませんが、強いて言うなら、

「大好きだから!!」です。

めっちゃ、ラブですから!

それ以外の理由はありません(ぇ)

経緯はあとあとついてくるものです、今はつじつまがあってシックリしてますー。

 

しかし、ホント設定がガラリと変わってしまいました(笑)

もしご要望があれば、僕のメモ書き程度ですが設定集もUPしますけど、

どーしましょうか??

BBSに皆様の声ください!!(ここで呼びかけてみる(笑))

 

次回は、オリキャラとキュリア先生&ミーシャを出そうかと。

2005.02.03.

 

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